* 空に見られてる事を、貴方は気付いていないのかしら? *




空が高い。
そろそろ夏の暑さが風にさらわれて、空が高くなってきた。
実際に空が高くなったかなんて私には分からないが。
見た目には雲の浮かぶ位置が高くなった気がする。
しつこいくらいに青だった色が、いつの間にか薄く水で伸ばしたような色合いになっていた。

例えばそれは、最近荒れだした彼女の肌のように。
ここから、とラインの引けないものだ。
そろそろ切らないと引っ掛けて割ってしまうからと言う、爪に似たもの。

確実に私に分かるものは背中が痛いと言うことくらいで、
こんな事でもないと空の高さなんて気に出来ない程最近は忙しかった。

仕方ないので、上から覗き込んで来るホークアイ中尉を、
睨む代わりににっこりと微笑んでその腕を引っ張る。
不意を突かれた彼女は、手にしていた資料をその辺に撒き散らして、私の上に降って来た。

「大佐っ!」

諌めるように声を荒げた彼女の頬はほんのりと赤くて、それは空の青さとどこか対極的だった。
ぎゅっと腕を回して抱き締める。
こんな草むら、誰にも気付かれない事くらい彼女は知っている筈だ。
そうじゃなければ私は昼寝場所になど選びはしない。
知っているのは二人だけ。
私と彼女と。

「少しおとなしくしてくれないか。…私を投げ飛ばしてくれた罰、とでも理由を付けるから」

そう。
こんなにも空が綺麗なんだから、誰も地面なんて気にしないさ。
絶好の隠れ家じゃないか。






END



なんとなく、今日見た空が高かったので。
そんな感じ。

「大佐、ようやく見つけましたよっ!」
「ふふん、ここで捕まるわけにはいかんのだよ!」
「失礼しますっ!!!(一本背負い)」
「ぎゃー!」
 見事、一本!

と、まぁそんな後の話です。
説明入れなきゃいかんようなの書くなよな(殴)

気侭に徒然。UP 2005・09・09
         2005・12・16


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